いのししのよしき - 出会いと別れの物語

~別れ~

その後数日の間、僕は毎日山へ行きよしきと遊んだ。よしきは大きくて温かくて、一緒にいるだけで幸せな気分になった。
そして家に戻ると決まった前日、診療所のお兄さんのところにお別れの挨拶を言いにいった。

「お兄ちゃん、僕、明日家に帰るんだ。」

ガラッ
ドアを開けたが返事がない。でも奥のほうで誰かが床に座っているのが見えた。

「お兄ちゃん?」
 
近づいてみると、意気消沈した雰囲気でお兄さんは座っていた。


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