九官鳥のきよ - 出会いと別れの物語

抱き上げたが、もう息はなかった。体中がぼろぼろだった。
どうやらガラスに気づかず何度も窓にぶち当たったようだ。
空を自由に飛びたかったのか?それともあの女の子のところに飛んでいきたいと
思ったのか?何度も何度もガラスに突っ込み、傷だらけになってもやめようとせず、
とうとう息絶えたのだろう。

「間違いだったのか?僕が君を預かったのは間違いだったのか?きよ・・・」

うなだれてただただ手の上の動かなくなった九官鳥を見つめる僕。
その時不意に声が聞こえた。

「ゴシュジンサマ、ワルナイヨ。オオキニ、オオキニ・・」

確かにきよの声だったはずだが・・・その後、女の子に手紙を書き、手厚くきよを埋葬した。
夏も終わり、秋の風が妙に心地よい夜だった。


P.E.T.S & Shippo Index - オリジナルキャラ創作