Legend of Quel

第二部(オリキャラ編) カブトエビのエレナ編

G3が怪人退治にいそしんでいたその頃、とある家では...

女性「ご主人様!大変です!!!」

1人の女性が血相を変えて男性の下へ駆け寄ってくる。
ご主人様「どうした、エレナ?何かあったのか?」

エレナ「すぐにここから逃げてください!!!早く!!!」

エレナと呼ばれたその女性は、血の気が失せたような顔で全身を震わせながら訴えた

エレナ「家の周りに邪悪な心を感じます...それも無数に!」

エレナは、ご主人様という言葉からもわかるように守護天使である。彼女は、相手の心を読む能力を持っており、
それによって相手の(特にご主人様の)居場所を探知する事ができるのだ。
彼女の言う通り、家の周りは既に怪人の群れに取り囲まれていた。
ちなみに、復讐鬼は本来、守護天使等の持つ特殊能力を一切受け付けない性質を持っているのだが、
今回はエレナの能力を分析するためにわざと心を読ませている。

ご主人様「どういう事だ!?」

その時、窓ガラスの割れる音が響き、そこから無数の怪人がなだれ込んできた。
部屋の中をメチャクチャにしながら、ハチによく似た怪人どもはエレナに向かって行く。

エレナ「あなた達の目的は...私...?私の能力で何をしようと...!?ああっ!!!」

エレナは持ち前の読心術で怪人達の目的を探ったが、完全に読み終わらないうちに取り押さえられてしまった。

ご主人様「エレナ!!!!!」

ご主人様はエレナを救おうと怪人に向かっていくが、所詮はただの人間。
人知を超えた存在である復讐鬼にとっては、人間の力などないに等しかった。
たちまち怪人に弾き飛ばされて壁に激突、失神してしまう。
そうこうしているうちにエレナは怪人どもに担ぎ上げられ、成す術も無く連れ去られてしまった。

エレナ「いや...やめて...!誰か...誰か...」





(助けて......!!!)

G3‐XX「......!?」

グランチェイサーに乗っている最中、突如頭の中で誰かの声が響いたような気がした。

G3‐XX「な、何だ、今のは...?何やら助けを求めているようだが...って事は、獲物か!

これで2匹目だな、をい。ウヒャヒャヒャヒャ♪早速ぶちのめしに行ってこよっと。」
声だけでは場所まではわからないはずだったが、野性のカンで現場と思しき場所へグランチェイサーを走らせていった。

キキッ!!!(ブレーキ音)
現場に到着したG3。一軒の家だったが、窓ガラスが割られ、中が荒らされているようだった。

G3‐XX「さて、獲物はどこかな?」

家の中へ入っていくと、獲物はどこにもおらず、1人の男性が傷だらけで倒れているのを見つけただけだった。
サーチスコープには生命反応があったので、命に別状は無いようだ。
男性の下へ歩み寄るG3。

G3‐XX「おい、大丈夫か!しっかりしろ!」

G3に気がつき、苦しそうにしながら視線を向ける男性。

男性「うう...あ、あなたは...?」
G3‐XX「俺の事はいい。それより、一体何があった?」
男性「エ、エレナを...エレナを助けて下さい...」
G3‐XX「エレナ?」
男性「はい、理解してもらえるかどうかはわかりませんが、エレナは、僕の...守護天使です。」
G3‐XX「守護天使?じゃあ、あんたはそのエレナとかいう奴のご主人様ってわけか。
一発で理解できたぜ。俺の知り合いにも守護天使がいるからな。約12名。」
ご主人様「エレナを...お願いします......」

そう言ったところでご主人様はガクッと意識を失った。
とりあえずG3は彼を病院へ運び、Rynexに命じてエレナの居場所を探らせる事にした。

ハチ怪人のアジトでは気を失ったエレナが椅子に縛られ、
何やら頭にコードの繋がった怪しげな機械を取り付けられていた。それを嬉しそうに眺めるリーダーと思しき怪人。

リーダー「フフフフフ、作戦成功だな。こいつの持つ心を読む能力を俺の脳波とリンクさせる事によって、
相手の行動を全て見破る...これで俺は無敵だ!!!今まで誰も成し得なかったG3打倒をこの俺が成し遂げ、
宇宙最強の復讐鬼となる時がやってきたのだ!!!
そう...いよいよこのエグゼス様の時代がやってくるのだアアアアッ!!!!!
ハアッハッハッハッハッハッ!!!!!!!!」





Rynexからの情報を元に怪人のアジトと思しき場所に向かうG3。

G3‐XX「!!!」

突然、上空から針のようなものが数本飛んできた。勿論そのハンドルさばきでかわす。
空を見上げると、ハチの怪人が多数上空を飛んでいた。

G3‐XX「早速のお出迎えか。ご苦労なこった。モードチェンジ!!!」

ウイイイン...ガシャン!
グランチェイサーのタイヤを変形させてエアクラフトモードで空に舞い上がり、空中戦に挑む。

G3‐XX「GM‐01、GR‐07、アクティブ!」

戦闘態勢にうつるG3。右手にはGR‐07、左手にはGM‐01カスタムを構える。
ドゴオオオオオオオオッ!!!!!
早速放ったGR‐07は、なぜか多くの弾丸が広範囲に飛び散り、ハチ怪人を一気に5~6体ほど撃ち落とした。
実は、GR‐07は砲身を換装することによって長距離ライフルとしてだけでなくショットガンとしても使用できるのだ。
これがGR‐07・Bタイプである。
ドム!ドム!ドム!ドム!(GM‐01を撃つ)
ドガガガガガガ!!!(グランショットを撃つ)
持ち前の機動力でハチ怪人どものマシンガンのような針攻撃をかわしつつ、GR‐07BとGM‐01のコンビネーション、
さらに、カウルからの機銃(グランショット)で敵の数をどんどん減らしていく。
が、そうこうしているうちに数匹の怪人が背後に回りこんできた。

G3‐XX「ウヒャヒャヒャヒャ、おバカさ~ん♪」

グランチェイサーの背部にはGX‐05改3式が収納されている。
折りたたまれていたGX‐05が自動展開し、背後の敵に砲門を向けて発砲し始めた。
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!
背後の敵はことごとく爆死していった。上下からの敵に対しては、上だったらGM‐01やGR‐07で迎撃、
下から来る敵は、グランチェイサーの余剰エネルギーをプラズマのようにしてばらまくプラズママインで一掃。
(プラズマのように見えるだけで、プラズマそのものではなく物理法則をも超えた別の何かである)
敵の針攻撃は、ブッちぎりの機動力でかわすか左腕のバリアシールドGB‐09で防御。
仮に当たってもG3とグランチェイサーの装甲には傷1つつかない。

結論:G3に死角なし!!!!!

てなわけで、空中の敵は全滅した。
G3‐XX「ぴるぴるぴる、ザコめが...ようし、そんじゃ、アジトへ突入するとしようかね。グランボルト、アクティブ!」
カウルの両脇からグランボルトを出し、そのまま空中からアジトへ向かって突っ込んでいく。
これがグランボルトアタックの空中版、グランボルトエアダイバーだ!!!

ドグオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!
アジトの壁をぶち破ってみると、中にハチ怪人のボスであるエグゼスと、捕らわれたエレナがいた。グランチェイサーを着地させるG3。

エグゼス「良くぞここまで来たな。あの数の怪人をああも簡単にかたづけるとは大したものだが、お前は俺には勝てん!」
G3‐XX「随分自信あるんだな、をい。」
エグゼス「クックック...当然だ。なぜなら、俺は最強の能力を手に入れたからな。
お前の行動は全て筒抜けになるだろう。もはやお前に何一つ成す術は無い!!!」
G3‐XX「アヒャヒャヒャヒャ♪実に愉快な事をぬかしてくれるねえ。ま、やってみりゃわかるか。」

相手の心を読む能力を手に入れた復讐鬼エグゼス。果たして、G3はこれにどう立ち向かうのか?


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