Legend of Quel

第一部(P.E.T.S.12人編) 第12話

己の溜飲を下げるため闘い続ける仮面ライダーG3‐XX。
今日もまた、罪深き哀れな獲物が愚かな所業を繰り広げる...

たまみ「ななちゃーん、どこに行ったのー!」
あゆみ「ななちゃーん!ななちゃーん!...困りましたわ。また迷子になってしまった
     ようですわね。」

ななを散歩に連れていたたまみとあゆみ。例によって方向音痴のなながまたはぐれてしまったようである。

たまみ「んもう、ななちゃんったらほんとしょうがないわね。」

そう言って駆け出すたまみ。のんびり屋のあゆみとの距離があいたその時!

ブオオオオオオオオオオオン!!!!!

なぜか怪しげな男がバイクに乗って猛スピードでたまみの方へ突っ込んできた!

あゆみ「たまみちゃん!!!」
たまみ「キャアアアアアアッ!!!!!」

車輪の苦手なたまみは、恐怖で足がすくんでしまった。容赦なく迫るバイク。思わず目を覆うあゆみ。
ドガシャアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!
凄まじい轟音が響いた後、おそるおそる目を開けるあゆみ。すると...

あゆみ「あっ...あれは......!」

そこに見えたのは、先ほど突っ込んできたバイクの横転した姿、
そして...何やらごついバイクに乗った青い人物が!!!

G3‐XX「アヘハヘハヘ♪生意気にバイクに乗った復讐鬼か。ま、俺のグランチェイ
      サーのほうが数百万倍かっこいいけどな。」
たまみ「ア〜〜〜〜〜ッ!!!!!あなた、あの時のロリコン変態親父!!!」
G3‐XX「...をひをひ、相変わらずひでえ言い草だな、眼鏡女(^^;」

G3が脱力したように苦笑してそう言っていると、隅の方で男が起き上がってきた。

男「ウヌウ、貴様が例の青い奴か。まさか俺の獲物を横取りしようってんじゃないだろ
  うな。」
G3‐XX「安心しな。そんな事ぁしねえよ。なぜなら......
      獲物はてめえだからなアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

男は怪人体に変化した。その姿は、ヒョウをモチーフにしたもののようである。

ヒョウ怪人「俺の名はロイド。ヒョウのロイドだ!バイクをぶつけてくれた礼をさせてもらうぞ!!!」
G3‐XX「バイク合戦というわけか、おもしれえ。俺のスーパーマシン、グランチェイ
      サーの凄さをたっぷりと見せてやるぜ!!!!!」

新たな戦場へと向けて2台のバイクが走り去っていく。
グランチェイサーで走るG3の後姿を見送るたまみ。

たまみ「あれ...?あの青いヤツのオートバイはあんまり恐くない...なんでだ
     ろう...」
どういうわけか、グランチェイサーのタイヤにはあまり恐怖を感じないようだ。

かくして、2大マシンのバトルが始まった。

 

戦場をとある広場に移し、縦横無尽に走り回る2大マシン。まず手始めに、両者ともにウイリー走行で正面から激突!
ガチイイイイイイン!!!!!

互いの前輪が音を立ててぶつかる。
その後も、段差を飛び越え、旋回を繰り返し、相手の横を取ろうと激しいチェイスを展開していた。
G3の射撃の腕ならまずはずす事はないのでGM‐01などで狙撃してもよいのだが、
万が一億が一兆が一、流れ弾がたまたま近づいてきた一般市民に被害を与えるのを恐れた事と、さらに、一度バイク合戦をしてみたかったという気持ちがあったため、
迂闊にGM‐01などを撃つのは避けバイクチェイスで勝負する方を選択した。
ただ、グランチェイサーには武器を多数搭載したウェポンコンテナがあるため、機動力の点でやや不利である。

G3‐XX「つーかこれ、あんま小回りがきかねえな、をい。」

そう言っているうちに、ついに脇を取られたグランチェイサー。ロイドのバイクが突進してくる。

ロイド「ククククク、これで終わりだ!死ねィ!!!!!」
ドッゴオオオオオオオオオン!!!!!!!
凄まじい勢いで弾き飛ばされて横転するグランチェイサー。バイクを止めるロイド。

ロイド「フハハハハ!!!バカめ、バイクのテクニックでこの俺にかなう奴はいねえ
     ぜ!!!」

ところが...

ロイド「!?奴の姿がない...?一体どこへ!?」

と、その時、ロイドの頭上から人影が!!!
ドゴオオオオオッ!!!

ロイド「グアアアアアッ!!!」

バイクが衝突する瞬間に上空へ跳んでいたG3は、急降下しつつロイドの脳天に強烈な肘うちを食らわせたのだ。
バイクから転げ落ちるロイド。

G3‐XX「ケケケケケ、さあて、自慢のバイクから落ちたお前をどう料理してやるかな」
ロイド「バイクに乗ってないのは貴様も同じだろうが。武器のないお前に何が出来
     る!?」
G3‐XX「いろいろできるぜェ♪」

そう言ってロイドの首根っこをふんづかまえるG3。

G3‐XX「オラオラオラオラオラオラオラオラ......(以下27行省略)......
オラオラオラオラオラオラオラアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!」

オラオラオラオラオラオラオラオラオラ_ー ̄_ ̄)’,  ・ ∴.'オラ, .. ∧_∧ ∴.' オラ
オラオラオラオラオラオラ∧ --_- ― = ̄  ̄`:, .∴)' オラオラオ(ロイド ) オラオラオラ
オラオラオラオラオラオ, -'' ̄  = __――=', ・,‘ r⌒>オラ_/ / ・,‘ オラオラオラ
オラオラオラオラオ/  _-―  ̄=_  )":" .  ’ | y'⌒  ⌒i .'  ∴.' オラオラオラ
オラオラオラオラ/ G3ノ  ̄_=_  ` )),∴. ) |  /  ノ |∴.'∴.' オラオラオラ
オラオラオラオ/  , イ )    _ ) ̄=_)   _), ー'  /´ヾ_ノ オラオラオラオラ
オラオラオラ/   _, \  )_ _ )=  _)オラオ/ ,  ノオラオ∴.'オラ∴.' オラオラ
オラオラオラ|  / \  `、     = _)オラオラ/ / /∴.' ∴.' オラオラオラオラオ
オラオラオラj  /オラオヽ  |オラオラオラオラオラオラオ/ / ,'オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラ / ノオラオラ{  |オラオラオラオラオラオ/  /|  | オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ / /オラオラオラ| (_オラオラオラオラオ!、_/ /   〉オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラ `、_〉オラオラオラオー‐‐`オラオラオラオラオラオラオ|_/ オラオラオラオラオラオラオラオラオナラ

ボッゴオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!

ロイド「ウギャアアアアアアアアアアッ!!!!!」

凄まじい速さでパンチを連打し、ロイドを吹っ飛ばした。

G3‐XX「ようし、とうとうあれをやる時が来たな......これでフィニッシュだ!!」

そう言って数歩退きつつ中腰になり、何かの技の体勢に入るG3。
そして、ダメージで動けないロイドに向かって走り出し、そのまま空中にジャンプ!!

ロイド「あ、あれは...まさか...!」

そしてさらにG3は、空中で一回転しながらキックを繰り出す!!!

G3‐XX「どわりゃあああああああああああああああッ!!!!!!!!!」

バグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!
強烈なキック(後に、G3ストラグルキックと命名)が炸裂!!!数十メートルほど吹っ飛び、その先にある無人の廃屋に突っ込んでいくロイド。そしてそのまま怪人は、廃屋とともに爆発して消えた。

なお、このストラグルキックの威力は、初期設定だと惑星規模の被害が出て大変な事になる程なのだが、その威力は任意に調整できるうえ、はずしてもG3‐XXのアーマーには超高性能のショックアブソーバーがあり、これによって周囲の被害が最小限になる。今回はこれでもかという程手加減し、最低威力でキックを放った。

もしクゥエルがG3‐XXになっていなかったら、この時点で地球は宇宙の塵になっていたかもしれない...
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

G3‐XX「外人さんに話し掛けよう、I am a pen.と!!!」

意味不明の文字列を口走りつつ無傷のグランチェイサーを起こす。そこへ1人の少女が駆け寄ってきた。

少女「すごい!すごい!やっぱりあの青い人だ!!!あなた、G3さんでしょ?」
G3‐XX「いかにも...って、お前、たしか守護天使の...」
少女「うん、イヌのななだよ。よろしくね。」

ここでG3の脳裏によからぬ考えが蠢く(笑)

G3‐XX「こちらこそ夜露死苦。ムフフフフ...ところで、君、かわいいね。俺とお友達
      になってくんない?」
なな「えっ?ななとお友達になってくれるの?わーいわーい!青い人とお友達だ!
    おっともだち♪おっともだち♪」

ロリコン根性丸出しのG3。そんな下心など知らず、無邪気に喜ぶなな。と、そこへ遠くからななを呼ぶ声が...

たまみ「おーい、ななちゃ〜〜〜〜んッ!!!」
あゆみ「ななちゃ〜〜〜ん!!!」
なな「あっ、たまみ姉ちゃん、あゆみ姉ちゃん!」

ななの元へ駆け寄る2人。息を切らせて走ってきたようだ。

たまみ「ぜい、ぜい...もう、どこ行ってたのよ、心配したのよ!」
なな「ごめんなさーい。」

あゆみがたまみより大幅に遅れてやってくる。

あゆみ「はぁ、はぁ...ともかく、見つかってよかったですわ。それにしても、たまみ
     ちゃん、足速いですわねえ、はぁ、はぁ...」

そんな3人を尻目にグランチェイサーにまたがるG3。

G3‐XX(チッ、邪魔が入っちまったぜ。ナンパ失敗か。まあいいや。)
なな「あれ?もう行っちゃうの?」
G3‐XX「運が悪ければまた会うかもな。」
ブロロロロロロロ...

走り去るグランチェイサーを見送りながら、

なな「G3さ〜〜〜〜ん、また会おうね〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
たまみ「たまみ、今回はあのバイクの車輪に助けられちゃった。皮肉ですよね。
    でも、これで少しは車輪が恐くなくなりそうな気がします...克服するには、
     まだまだかかりそうですけど。」

この時、たまみの顔が少しだけ赤く染まっていたのだが、
あゆみもななも、そしてたまみ自身もそれには気づかなかった。

あゆみ「......」

G3を見送るななとたまみをよそに難しい表情をしているあゆみは、どうやら何かを決意していたようだ。


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