夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.4「百薬の長、或いは友達薬」

夕方、光彦は袋を手にして帰ってきた。

ひとみ「ご主人様、これはなんですか?」
光彦「これはチューハイだよ。」
あすか「…チューハイ?」
光彦「まあ、お酒の一種だね。」
まゆり「『お酒』ってなんですの?」
光彦「お酒はね、百薬の長とも呼ばれてね、飲むと気分が明るくなるんだよ。」
みゆう「ふーん、すごいんだ。」

四人は感心しきりであった。

光彦「でもね、飲みすぎは体に悪いし、未成年者は飲めない…って人の話は最後まで聞けよ!」

何と四人は、早くも勝手に光彦が買ってきたチューハイをつぎ分け、飲んでいたのである!
そして、

まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「ぶふっ!」
そう言うと、四人はあっさりと倒れこんでしまった。

光彦「ああ、みんな!」

光彦はあせった。しかし、五分ほどして四人はよみがえった。
そして、次々にバカなことを始めたのである!

まず、ひとみが騒ぎながら奇妙な踊りを始めた。
光彦は、何とか落ち着かせたが、やはりいつものひとみではなかった。

(やれやれ酔っ払いやがったな…。)

そう思う暇も無く、今度はみゆうが

みゆう「きゃはははは!」

と、まるで脳の筋が切れたかのように笑い出した。

(おいおい今度は笑い上戸か?)

さらには、あすかも、

あすか「ふん、どうせわたしは嫌われ者だよ。ご主人、あんたまでそんな目で見るのかよ?」

と、とっても投げやりな態度を取り出した。

(残りはまゆりだけだけど、まさか…。)

光彦の予感はあたった。何とまゆりは着ているものを脱ぎ出したのである!
その様子が大変色っぽかったので、光彦は心がふらついたが、すぐ気を取りなおして止めようとした。
しかし、まゆりは、

まゆり「わたくしの羽化を邪魔しないで下さい!」

とまるで取り合わない。

かくして、室内は大パニックに陥った。
光彦は、パニックの様子を見ているうちに、無性に腹が立ってきた。

(くそっ、人の話を聞かない輩共め。そうだ、写真にとって後で笑い者にしてやる!)

そう思った光彦は、コンビニにこっそり行き、使い捨てカメラを買った。
そしてコンビニから戻ると、四人がとても悲しそうにしていた。


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