Legend of Quel

第一部(P.E.T.S.12人編) 第7話

ドゴオオオオッ!!!

間一髪駆けつけたG3が、怪人にタックルをくらわせた。
なるべく周りに気づかれたくないので銃器の使用はできるだけ控えていたからだ。爆弾は、地面に転がっていった。

怪人「ウヌウッ、貴様はあの時の青いヤツ!おのれ、一度ならず二度までも!!!」
G3‐XX「あの火事はやっぱりてめえの仕業か。あん時はやる事があったんで相手し
      てやれなかったが、ようやくこの時が来たなァ♪ぶっとばしてやんぜ!!!
      !!」
怪人「ちょこざいな!この俺、シュモクザメのワーバイン様にかなうと思ってるのか!」

 

 

トイレから部屋に戻る途中で、

らん「!?今、何か物音がしたような...」
るる「ねぇねぇ、どうちたの、らん姉たん?」
らん「ねえ、るるちゃん、1人でお部屋に戻れる? らんは、ちょっと物音がした方へ
   様子を見に行ってきますけど、大丈夫ですよね?」
るる「るるも行くー」
らん「ダメですよ。もし危険な事だったら、るるちゃんを巻き込むわけにはいきません。
    ちゃんとお部屋に戻るのですよ。いいですね。」
るる「はーい」

 

 

ワーバイン「これでもくらえ!」

そう言って口から、水流をイメージしたような鋭いビームを撃ってきた。

G3‐XX「はいよ。」

そう言って左腕を構えると、何やら光の盾のようなものが現れてビームを遮断した。
これが装着式バリアシールド、GB‐09である。取りはずす事も可能。
よけるとビームで周囲に被害が及ぶと判断したのだ。

ワーバイン「何ッ!?」
G3‐XX「ウヒャヒャヒャヒャ、んなもんはきかねえぜ!!!」

すかさず左足のグランアクセラーを引き抜いて右手に持ち替え、先端のロッドを少し伸ばして構える。

ワーバイン「こしゃくな!!!」

非常に素早い動きでG3に向かっていくワーバイン。音速をもはるかに超える凄まじいスピードで連撃を繰り出す。
が...ことごとくGB‐09で防がれていた。

ワーバイン「おのれ!だったらこれでどうだ!」

ワーバインはさらにスピードを上げ、完全に姿の見えない状態になった。それでも冷静に構えるG3。

G3‐XX「まあ、ありがちなパターンだな。」

やがて、後ろから襲い掛かるワーバイン。
ドグオオオオオオオオオッ!!!!!

ワーバイン「ウグアアアアアッ!!!」

次の瞬間、吹っ飛んだのはワーバインの方だった。
迫り来るワーバインを、振り向きざまにグランアクセラーで一撃くらわせたのだ。
まるで、野球のバットでボールを打つように。

G3‐XX「やれやれ、耳ほどにもないな、をい。そんじゃ、一気にカタをつけてやるぜ。」

と、そこへ、様子を見に来たらんがやってきた。
それを見つけたワーバインは、らんを捕まえ、盾にした。

らん「キャアアッ!!!あ、あなたは一体...?」
ワーバイン「グヘヘヘヘ、どうだ、これで手も足も出まい。」
G3‐XX「うわ、滅茶苦茶バッドタイミングってやつだな。何かベタベタに特撮ヒーロー
      みたいな展開だぜ。」
ワーバイン「ヘッヘッヘッ、こいつの命が惜しかったらおとなしくしている事だな

らんが人質にされてしまった。だが、G3は慌てるそぶりを見せずに戦闘態勢を解除する。

ワーバイン「ようし、まずは武器を捨ててもらおうか。」
G3‐XX「ま、常套手段だな。どうせ真夜中にうるさくしちゃいけねえと思って銃器は
      あんまし使わないつもりだったんだがな。」

手持ちの武器を投げ捨てていくG3。

らん「...あの青い人、まさか、らんのために...?」
ワーバイン「よくできました♪それじゃあご褒美だ!」

口からビームを吹き付けてきた。モロにくらうG3。

G3‐XX「ウオオオオオオッ!!!」
ワーバイン「ワハハハハ!死ねィ!!!」
G3‐XX「ワハハハハ!こりゃ気持ちいいぜ!!!
     シャワーなんて浴びたの何ヶ月ぶりだろう。うち、水道止められてんだよね。」
ワーバイン「こしゃくな!」

さらにG3の目にもビームを吹き付けるが...

G3‐XX「アヒャヒャヒャヒャ♪」

これっぽっちも効果は無く、かえってG3を喜ばせるだけであった。
まさに文字通りの『蛙の面に水』というやつである。

G3‐XX「お水は命の源なのダ!(・∀・)」
ワーバイン「何と!!!効いてないというのか!ボディだけは頑丈ってわけか。
       だったら何故さっきはわざわざシールドで防いだのだ?」
G3‐XX「だって、その方がかっこいいじゃん。」
ワーバイン「ケッ、口の減らない奴だ。だったら、これでどうだ!」

そう言ってさっき捨てさせた武器の1つ、自動小銃GM‐01カスタムを拾い上げ、銃口をG3に向けた。

ワーバイン「これで終わりだ!!!」

カチッ、カチッ、カチッ...
弾切れでもないのに銃弾が出なかった。もっとも、出たとしてもほとんど効果はなかっただろうが。

G3‐XX「あ、そうそう。言い忘れたけど、俺の武器を俺以外の奴が使おうとすると、
      プロテクトが作動して機能を停止するんだよね。」
ワーバイン「ええい、くそっ!!!」

GM‐01カスタムを地面に叩きつけ、今度は先ほど落とした爆弾を拾ってG3に投げて渡した。

ワーバイン「じゃあ、この爆弾を飲み込んでもらおうか。いくら装甲が固くとも、体の中
        まではそうはいくまい。」
らん「やめて下さい!いくら何でも、そんな事をしたらあなたは死んでしまいます!
   私に構わず戦って!!!」
G3‐XX「フォッフォッフォッ、これもベタなセリフだな。心配はいらんぜよ。俺は不死身
      じゃ。まあ、とってもおいしそう♪いっただっきまーす♪」

そう言って爆弾をパクリと飲み込むG3。
ボオオオオオオン......
数秒後、かすかな音とともにG3の体が小刻みに揺れ、口から煙が立ち昇った。

G3‐XX「ゴフッ...ゴホ、ゴホ...まじいいいいい。うわ、口ん中が焦げくせえな、
      をい。あとでRynexのやつにモンダミンを買いに行かせよう。」

体内で爆弾が爆発してもまったく平気な様子であった。
しかも、この爆弾は建物をまるごと2〜3個吹っ飛ばすだけの威力があるのだ。

ワーバイン「な、な、何だとオオオオオオオオッ!!!!!!そ...そんなバカ
       な...! 奴の体は、一体何でできてんだよオオオオッ!!!!!」

G3に対してあらゆる攻撃が通用せず、すっかり狼狽したワーバインは、遂に暴挙に出た。
らんの首を掴んで持ち上げ、絞め殺そうとした。

ワーバイン「くっそおお!!!こうなったらこの女だけでもぶっ殺してやるぜええ
        えっ!!!!!」
らん「アアアアアッ!!!く、苦しい...」
G3‐XX「間抜けめ!!!」

G3はGM‐01カスタムを素早く拾い上げ、銃口を下の方に下げて発砲した。
ドム!ドム!ドム!

ワーバイン「ギャアアアアッ!!!」

弾丸は、ワーバインの足にヒット!怪人とらんの分断に成功した。

G3‐XX「デハハハハ!!!ブワカめ! そんなに高く持ち上げてたら、足元がお留守
      になるに決まってんじゃねえかよ、ヴォケ!!!」

そして、近くに置いてあった折りたたみ式ガトリング砲、GX‐05改3式を拾い上げた。
この時G3の頭に、『銃器の使用を控える』という考えなど既になくなっている。

G3‐XX「GX‐05、アクティブ!」

ガシャコン!
GX‐05改3式を折りたたまれた状態から展開し、発射態勢に入った。ワーバインに向けてGX‐05改3式を構えるG3。その時... 


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