Legend of Quel

第一部(P.E.T.S.12人編) 第6話

あの火事の一件以来、守護天使たちの間では、例の青いヤツの話題で持ちきりだった。

つばさ「ホントだよ!ボク、見たんだ。青い人が燃えてる店の中に入っていったのを。
     きっと、あの人がらんを助けてくれたんだよ!」
くるみ「くるみも見たの!何か、腕におっきい刃物を持って、ドドドド〜ッて突っ込んでいったの〜」
らん「らんはその時、気を失っていたのでよくわかりません。心配かけてごめんなさい」
みどり「とにかく無事でよかったれす。消防士さんや子供の母親も、青い人を見たって
     言ってました。ニュースでやってたれすよ。」
るる「じゃあ、あおいひとはいい人なんらお〜。るる、さいんほしい〜」
あかね「でも、その青いヤツが助けたっていう確証があるわけじゃないだろ。仮にそう
     だとしても、何か裏があるのかもしれないし。」
みか「あかねって、ほんと疑り深いよね。まあ無理もないけど。 よく考えてみると、
    あの青いヤツ、みかを助けようとしてたんじゃないかって気がするの。」
あゆみ「どうかしら。あかねちゃんの言うとおり、何か目的があるとしたら...」
みか「何よ!実際に会った事もないくせに、偉そうな事言わないで!!!」
あゆみ「みかちゃん、その青い人の事はほとんど何もわかっていないのですよ。
     そんな状態でまるごと信用するのは危険です!」
たまみ「たまみは会いました、実際に。やっぱり怪しいです!信用できません!」
ゆき「皆さん、お静かに。今回はらんさんが無事だったからよかったですが、
   これからは今まで以上に注意しなくてはいけません。もちろん、よほどの用事
   じゃない限り外出は禁止。いいですね。」
なな「え〜〜〜っ、それじゃあお散歩は?」
るる「お外へ遊びに行っちゃダメらお〜?」
ゆき「もちろんダメです。あなた達まで危険な目にあわせるわけにはいきません。」
るる・なな「......は〜い。」
もも「そうですよね、これでは、恐くて遊びにも行けないです...」

 

 

一方、Gストライカーでは...

G3‐XX「あの現場で妙な気配を感じた。間違いない。ありゃあ完璧に復讐鬼の仕業
      だな。見つけたらぶっ潰してやんぜ!」
Rynex「今回の事で、守護天使たちはますます外へ出なくなりましたね。
     おそらく敵も それはわかっているはずです。となると、今度は家を狙ってくる
     かもしれません。その方が12人全員まとめて始末できると考えるでしょう。」
G3‐XX「だったら家の前ではってりゃ獲物がかかるな。おのれ腐れ外道、首を洗って
      待ってやがれよ!!!  俺のこのGX‐05改3式で蜂の巣にしてくれるぜエエエエエエエッ!!!!!!!!」

 

それから数日間、守護天使たちの家の前で張り込むG3。ストーキングは、彼の十八番であった。

G3‐XX「今のところ復讐鬼の気配は無しか。こんな夜遅い時間だ。るる達はとっくに
      寝静まってる頃だな。
      ま、俺は別に睡眠なんぞとらなくっても全然平気だけどね。」

そう言いつつ辺りをしっかり見張っていると、やがて怪しい気配を察知した。

G3‐XX「おおっ、見つけたぜ!今度は逃がさん!!!」

 

 

家の中では...
るるが起き出し、らんの所へ行く。

るる「ねえねえ、らん姉たん、おしっこ。」
らん「......あ、はいはい。」

るると一緒にトイレに向かうらん。

 

家の近くでは...

男「クックックッ、この間はとんだ邪魔が入ったが、今度こそあいつらを始末してくれ
  る。よくよく考えてみれば、家に全員固まってるところを狙えば一気に全滅じゃん。
  ここから奴らのいる部屋にこの特製の爆弾を投げ込んでやるぜ!」

そう言って男は、怪人体に変化した。その方が腕力が上がり、投げる距離も伸びるからだ。
もっとも、人間体のままでも充分に届くのだが、怪人体への変化は景気付けの意味あいもあるらしい。
その姿は、シュモクザメをモチーフにしたもののようであった。

怪人「くたばれ、守護天使ども!!!!!」

爆弾を投げようと振りかぶったその時!!!


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