Legend of Quel

第一部(P.E.T.S.12人編) 第15話

コブラ怪人「ワハハハハ、死ねィ!!!」

コブラ怪人の槍があゆみに向かって打ち下ろされそうになったまさにその刹那、何かが上から落ちてきて怪人に激突!
そのまま両者は脇の方へ転がっていった。その「何か」は、人の形をしているようであった。

あゆみ「!!!」
るる「あ~~~ッ!!!あの人、体が青いおぅ!」
もも「あれって、もしかして...」
なな「来てくれたんだ...来てくれたんだね!!!」

怪人に組み付いているのは紛れも無い、あの青いヤツ、G3‐XXであった!
両者ともに倒れこんだまましばらく揉みあった後、G3の放つ右フックを素早いジャンプでかわす怪人。立ち上がるG3。

コブラ怪人「貴様!一体どこから現れた!!!近づいてくる気配が全くなかったぞ!」
G3‐XX「クックックックッ、あそこからじゃ!」

そう言って上を指差すG3。上空には、渋滞する道路を避けてエアクラフトモードとなったグランチェイサーが浮かんでおり、
ゆっくりと降下、着陸した。エンジン音が聞こえてこなかったのも当然である。
なお、怪人とあゆみの距離が近すぎたため、万一の事を考えてGR‐07の使用は控えたのだ。

コブラ怪人「なるほど、空から来たわけか。俺の名は、グランツ!コブラのグランツ
       だ!」

ここでG3は、るる達の姿を確認、腹から血を流して倒れているご主人様を見つけた。

G3‐XX(こりゃ急がないとやべえな...るる、お前のご主人様は俺が守ってやる!)

事態を悟ったG3は、すぐさまグランチェイサーから武器を取り出しにかかる。

G3‐XX「GL‐08、アクティブ!」

伸縮式の槍GL‐08をウェポンコンテナから出し、それを長く伸ばす。
グランツの持つ槍に対抗するためである。そして槍を構え、怪人に向かって突撃していった。

グランツ「槍で俺と勝負する気か。面白い!」

ガチイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!
勢いよくぶつかり合う2つの槍。そして凄まじい打ち合いが続く。
グランツは、持ち前のスピードを生かして四方から攻め込んできた。
これでも一応音速をはるかに超えた領域に達しているのだが、
G3にとってこんな攻撃などどうという事はなかった。とはいえ、あまり時間はかけられない。
実はRynexの仕掛けたスパイメカの映像を見てからすぐに出発したのだが、
来る途中、G3を倒して名を上げようと企む怪人や、人間を襲う怪人を
あちこちで何十体も相手にするハメになったため到着が遅れてしまったのである。
G3は、一気にカタをつけるための考えを実行に移す事にした。

G3‐XX「オオリャッ!!!」

GL‐08を構え直して突っ込むG3。

グランツ「甘い!!!」
カキイイイイイイン!!!

怪人の槍でGL‐08が弾き飛ばされた。

グランツ「もらった!!!!!」

武器を失ったG3に向かって槍で突きにかかるグランツだが...

G3‐XX「かかったな!!!!!」

実はGL‐08をわざと弾かせたのだ。これまでの太刀筋から、
ここでグランツが突きを繰り出してくるのをG3は読んでいたからである。そして、怪人の槍を左腕でガッチリと押さえつける。

グランツ「な、何だとオッ!!!!!」

驚く怪人を引き寄せてボディーブローを食らわせ、その後ものすごい力で首を掴んでネックハンキングに捕らえるG3。

グランツ「ウグググ...」
G3‐XX「GK‐06、アクティブ!」

怪人を捕らえたまま、左上腕部にアタッチされている電磁コンバットナイフ、GK‐06を抜き、刃を伸ばす。
普段収納されている時は刃が引っ込んでいるが、戦闘時には刃をカッターナイフのように伸ばして使用する。
GK‐06を怪人の顔に突き立て、そのまま切り下ろすG3。
ズバアアアアアアアアアアッ!!!!!!

グランツ「グアアアアアアアアアッ!!!!!!!」

鮮血を流してよろめくグランツ。G3は、素早くGL‐08を拾いに行き、そのまま怪人に向かってジャンプ!

G3‐XX「ウオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」

ドスウウウウッ!!!!
GL‐08の刃が上空から怪人の腹部を貫いた。そしてそのままGL‐08で怪人を回転させて遠心力をつけた後...

G3‐XX「ぬおりゃああああああああああッ!!!!!!!!」

真上に向かって思いっきり放り投げた。そしてすぐさまグランチェイサーに向かい、

G3‐XX「GR‐07、アクティブ!」

長距離ライフルGR‐07を素早く取り出し、はるか数千メートル上空を舞う怪人に照準を合わせた。

G3‐XX「ブッとべええええええええエエエエエエエエエエッッ!!!!!!!!!!」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!

次の瞬間、はるか上空で凄まじい大爆発が起こった。もし地上で爆発していたら辺り一帯を吹っ飛ばすだけの威力だ。
怪人の心臓部に強力な爆弾がある事をスパイメカからのデータで見抜いていたので、上空に投げ飛ばしてから倒す方法に出たのだ。

G3‐XX「フン。なめんなよ、この野郎。」


Otogi Story Index - シリーズ小説 - Legend of Quel