The freezing fragment

1話「光のハンタイ

点灯スル

対峙する俺とこのガキ。ガキはナイフの投擲体勢に入り、俺は拳に気を集める。1点集中、互いが焦れてくる、読み合いと我慢の競り合いだ。

完全に互いの空気が空間を支配し、そして、接触。互いが焦れてくる。緊張が纏わり付く、俺にも、ガキにも。

そして、それに耐えられなくなった瞬間。

「「ウアアアアアアアアァァァァァァァァァァァッッッッッッッ!!!」」
狂気の様な叫びと共に、重力から、脱却する。俺は肩、腕、背筋、腹筋・・・・全ての筋肉を使い一撃を放つ。連撃などない。豪腕が唸る必中の一撃。

ガキは神速とも言えるSpeedで刃を放つ。その閃きは空気を切るが如く、颯の刃。

俺は飛んでくるナイフを避けようとした、がナイフは回転を帯び曲がってくる。(避けきれん!)

結果、俺は動きを止め、その場に蹲っていた。右胸の下辺りに紅いシミが出来る。

その光景を見て、ガキの雰囲気は変わり、俺の元へと駆けつける。「・・・あ、あーっ、ごしゅじんさま!!!!!!!!!!!!」

「・・・・てめぇの勝ちだ。好きにしな」「えーっとぉっ、ごしゅじんさまのおうちにぃ、つれてってください!」・・・何を言い出す、コイツは。

「・・・普段、何処にいる気だテメェは」「あ、それならぁ」と言ってゴソゴソとするガキ、いや、ミカド。

「これ、もっててくださぁい♪』そう言って渡されたのは、・・・携帯?いや、違う。・・・ともかく携帯型の物。

すると、ボンッ!っと、音がして目の前にぬいぐるみが1つ。

携帯の画面が突如点き、『こんばんは』の文字が。続いて現れたのは『私達、守護天使はぬいぐるみ型の体へと一時的に変化できます。』

そして、画面が消えたと思ったら、また、ボンッ!っと音がして、元のミカドに戻っていた。

「・・・ダメですかぁ・・・?」うっ・・・、そう言う泣きそうな眼差しで見るな。

「・・・しゃーねぇ。」「ホ、ホントですかぁっ!!!」嬉々としているミカド。

ところで、ミカドが背負っている風呂敷、アレ何だ?

立ち上がろうとした時、目の前にミカド以外の誰かが現れる。「誰だ!!!」俺は声を上げるが、くそ、力が入らねぇ。ミカドも対処出来ない、ヤヴァイ。

「こんばんはー」・・・いや、有り得んだろ。

咄嗟にミカドは、俺の前に出る。「誰ですかぁっ!」現れたのはチャラチャラして格好の男。

「んー俺、ミカドって言う子、探してたんだけど御前だろ?」

「はぁーい、ミカドですよ。」「あ、そ。そんでそっちは?」「ミカドのごしゅじんさまですっ!」「ふーん、邪魔だなぁ。」「え?」

チャキッ、と音がして男は日本刀を振り被る。「ごしゅじんさまっ!!!」

俺は避けきった、ハズだった。しかし、俺は肩を切られた。簡単な事だ、傷があったが故に、反応が遅れたのだ。「ぐああああぁぁぁぁぁっ」俺は叫び、・・・気絶した。

「あ・・・・、・・・・ああっ、・・・ごしゅじんさまーっ!!!」

「MissionComplete♪」そう言うと、男に烏が寄って来る。「あー、任務完了」そう烏に言うと、烏は飛んでいった。

次の瞬間、カラダが倒れていった。

跳んだのは男の首、そして紅い華。そして、花弁が壁に舞い散る、薙刀を舐める幼女の影、付着した華を人はこう呼ぶ、「血」と。

幼女の眼は紅く光る・・・。

  

1章、終了。


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