夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.29「光彦、アナザーワールドへの旅」

朝、光彦が起きると、世界は何かが違っていた。

ひとみ「あ、おはようございます。」
光彦「……………?(目をこする)」
まゆり「どうなさいましたか、ご主人様?」
光彦「あ、あれ?(再び目をこする)」

何と、カルテットの4人が全員下着姿だったのである!
うら若き乙女4人が下着姿…非常に特殊な条件ではある。それが怖かったのか、光彦にはなかなかそれが指摘できないでいた。
しかし、このままでは自分の目のやり場にも困る。そう思った光彦は思い切って下着のことを切り出してみた。

光彦「あの…みんな…?」
ひとみ「何ですか?」
光彦「その…何で下着姿なの?」
あすか「…え?」
まゆり「何を言っているのですか?ご主人様。」
みゆう「あたしたちちゃんと服を着ているよ。」

カルテットの答えは光彦を混乱させた。

(え…ど、どういうことよ?)

混乱しながらも、光彦は状況を整理した。すると、ある恐るべきことが頭に浮かんだ。

(ま、まさか!)

それを確かめるために、光彦は家を飛び出し、大通りへと向かった。
すると、光彦の予想はどうやら当たっているようであった。

(う、うあ…。)

大通りを歩く人間も全て下着姿だったのである!
つまり、光彦の目が服を透視する能力を身につけたわけなのであった。

(やはり…。しかし、何故このようなことに?)

光彦は不思議であった。しかし、その感情もすぐになくなってしまった。なぜなら…

(うーむ、これはなかなかおいしい状況…。)

見たくはない男性の下着姿もあるとはいえ、女性の下着姿が拝めることがうれしかったからである。
そして、そういう状況に甘えたのか、光彦はやや調子に乗ったことを考えるのであった。

(もっと透けてくれないかな…?)

するとどうであろうか。街行く人々の下着が消えうせ、みな全裸となってしまったのである!もちろん、それはあくまで光彦の見た目上のみではある。しかし、そういうことは誰にも気づかれることなく裸が見られるということであり、かえって光彦にとっては好都合であった。

(おお、願いがかなったぞ!)

そう思った光彦は、大急ぎで家へと戻った。すると、カルテットも全員全裸という夢のような状況が眼前に広がっていた。

(すごい…。天国だ…天国だ…。この子たちの裸って、こんなにキレイなんだ…。)

光彦は、鼻血に耐えつつも、その状況を楽しんだ。
しかし、事態はそれだけでは終わらなかった。
光彦の目は、どんどん透視能力を強化していった。つまり、人体の中身をも強制的に見通すようになっていったのである!

(お、おいやめろ!僕は裸だけで十分なんだ!それ以上透視なんかするなよ!)

このような光彦の願いもむなしく、透視能力はどんどんエスカレートしていった。
内臓模型…骨格模型…。気持ち悪い進行過程を経てカルテットの体はどんどん透けていく。そしてとうとう…

光彦「あ、あれ?みんなどこへ行っちゃったの?」
まゆり「わたくしたちはここにいますわ。」
ひとみ「大丈夫ですか?ご主人様、今日は少し変ですよ。」

カルテットが光彦には見えなくなってしまったのであった。

(う、うわあああ!)

光彦はパニックに陥った。そして、外へと飛び出していった。
さっきとはうって変わって、大通りには誰もいなかった。光彦はますますあせった。
そして、あせる光彦を誰かが弾き飛ばした。もちろん、その人の存在も光彦には見られない。

誰か「おい、気をつけろよ!」

光彦の不安は頂点に達した。

(ああ、僕は誰を見ることもできない…。きっとバカなことを考えた罰が当たったんだ…。)

光彦「ああああっ!」

ひとみ「…様!ご主人様!」
光彦「はっ!」

光彦が正気に返ると、そこは布団の中であり、その周りにはちゃんと服を着たカルテットがいた。

まゆり「大丈夫でしたか、ご主人様。」
あすか「心配…しました…。」
みゆう「何かうなされていたけど…?」

その様子に、光彦はほっとした。そして、つい夢の続きのようなことを口走ってしまったのであった。

光彦「みんな…スケベでごめんなさい!」
まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「?」

光彦の謝罪の意味は多分一生分からないであろう4人であった。

おわり


夢と現実とそのしっぺ返し。悪いことはできません。


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