夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.13「さよならみゆちゃん?」

饗介は思案にくれていた。

(うーん、もっと効果的にアレする方法はないものか…。)

とその時、みゆうの脳天気な笑顔が饗介の頭の中に浮かんだ。

(そうだ、あの子だったら…血を吸うし、カとハエは種族的にも近いし…ふっふっふ、見てろよ…。)

饗介は、自らの作戦に酔った。

 

 

そして次の日。饗介はカルテットの四人をつけていた。

(この念がかかった俺の血をみゆうちゃんの飲物に入れれば…でもどうやって入れようか…。)

饗介が迷っていると、四人は紙コップ式の自動販売機の前にさしかかった。

(そうだ、あれを使えば…よし、君達はジュースが飲みたくなる…。)

饗介はテレパシーを送った。お得意の精神操作術である。

まゆり「ねえみなさん、のどが乾きませんか?」
ひとみ「そうですね。」
あすか「…ジュース…飲みたいです。」
みゆう「あたしも!」

かくして、四人はジュースを買った。

(よし、今だ、行けっ!)

この瞬間を狙い、饗介は自らの血をみゆうのジュースの中に送り込んだ。
そうとは知らないみゆうは、

みゆう「このジュースおいしーい。」

と、あっさり飲み干してしまった。

(これでよし、後は…ふっふっふ…。)

饗介が作戦の次段階について思案を巡らせている頃、カルテットは光彦の待つ家に帰り着いた。


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