夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.10「饗介の逆襲」

饗介「ふっふっふ、帰ってきたぜ地上!」

呪詛悪魔、「ハエの饗介」が「しつじの世界」から脱走して帰ってきた!夢追い虫カルテットを今度こそ泣き顔で塗りつぶすための邪悪な秘策を胸に…。

ある夕方、洗濯物を取りこもうとしたひとみはある異変に気付き、朝に洗濯をしていたまゆりに声をかけた。 

ひとみ「あの、あたし達の下着ってどうしましたっけ?」
まゆり「どうしたのですか?」
ひとみ「それが、無いのですよ、一枚も。」
まゆり「おかしいですわね。確かに干しましたのに…。」
ひとみ「ということは…。」
まゆり&ひとみ「盗まれた!」
まゆり「それにしても一体誰が…。」
ひとみ「分かりません。でも見つけたら投げ飛ばしてあげますよ。」

二人は憤りを感じたが、心当たりは全く無かった。

また、次の日、カルテットが四人で歩いていたとき、突然背後から何かに押されるような感覚がし、揃って転んでしまった。

ひとみ「痛ーい。」
みゆう「すりむいちゃったー。」
あすか「これは一体…。」
まゆり「どういうことなのでしょうか?」

さらに歩いていると、突然足元の地面がなくなり、揃って落とし穴に落ち込む格好になってしまった。

まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「きゃっ!」

四人は穴の底で呆然とする羽目になった 

ひとみ「なぜ突然落とし穴が…。」

 

さらに次の日の晩、カルテットと光彦の五人がご飯を食べていると、突然カルテットの脳の中にいやらしい妄想が浮かんできた。
そのため、カルテットの顔はみるみる赤くなった。心配した光彦が理由を聞いても、内容が内容なだけに相談できなかった。

みゆう「えーん、えっちだよう。」

 

さらにさらに次の日、四人で町を歩いていると、突然変な感覚に襲われた。
四人は、もしやと思って服の上から体を撫でてみた。すると、いやな予感は当たっていた。
なんと、四人が確かに着ていたはずの下着が身体から消えていたのだ。早い話が、ノーパンかつノーブラの状態になってしまったのである。
さらに悪いことに、それを狙ったかのように突風が四人に吹き付けた。
幸い、キュロットスカートのひとみとみゆうには実害はなかった。しかし、大変だったのは着物のまゆりとワンピースのあすかである。
特にあすかは、ワンピースが膝上あたりまでめくれ上がり、危うく見られてはいけないところまで見られるところであった。
まゆりとあすかは恥ずかしさのあまりその場にうずくまってしまった。

あすか「なぜ…こんな…恥ずかしいことに…。」

 

さらにさらにさらに次の日、これまた町を歩いていた四人に悪夢が襲った。
今度はいきなりまゆりの着物とあすかのワンピースが大きくめくれ上がったのである。
おまけに、ひとみとみゆうのキュロットスカートは下ろされてしまった。
おかげで、四人はショーツを町を行く人に見られてしまった。

まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「きゃっ!」

四人とも、恥ずかしさと悲しさで胸がいっぱいになった。

 

まゆり「一体これはどういうことですか!」

ここまで来ると、さすがに四人とも「怪しい」と思うようになり、ついに光彦に相談することにした。
光彦は、四人がされたことから、ある人物のことが頭に浮かんだ。言うまでもなく、饗介である。
光彦は、カイコノウジバエの呪詛悪魔がこの世にいることや、その呪詛悪魔が四人に悪夢を見せていたことがあることなどを話した。
そのことを聞いた四人、特にまゆりは、おびえた表情になった。

まゆり「まさか、彼がよみがえっていたなんて…。」
あすか「わたしたちは…どうすれば…?」
光彦「ぼくの考えでは、彼は、ちょっかいをかけるときは君達の近くにいると思うんだ。だから少し気をつけてみて…。」

とそこまで言ったところで、四人が一斉に何かを気にし始めた。

ひとみ「きゃっ!」
光彦「どうしたんだ!」
あすか「誰かが…胸を…。」
みゆう「やあっ!」
まゆり「彼が…近くに…。」

光彦は、それを受けて、家から出て饗介を探した。

一方、饗介は、光彦達の家のそばで、興奮した様子でカルテットの様子を見ていた。(胸は念力で揉んでいます)

(やっぱりいいなあ、みんな。下着も手に入ったし…もう最高。)

そんな事を考えていた饗介だったが、やはり近いところにいなくてはならないことが仇となり、あっさり光彦に見つかってしまった。

光彦「見つけたぞ!」
饗介「あ、やばい!」
光彦「今までのことはお前の仕業だな!」
饗介「ぎくっ!」
光彦「やはりそうか。ここで会ったが百年目!」

二人がごちゃついているうちに、カルテットの四人も家から出てきた。

まゆり「あ、確かに彼はわたくしを!」
ひとみ「許しません!」

自分が追い込まれていることを感じた饗介は、流れを変えようとした。

饗介「ま、まあとりあえずさ、みんなで話し合おうよ、ね。」

こうして、六人の屋外での話し合いが始まった。


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