Happy Angle Paradise!

OtogiWars 最終幕「君が為にオルゴールは鳴く」

オトギ大戦 -Otogi Wars-

 

突如出現した緑の空間、そしてE3・・・

G3「まぁだ生きてやがったかい!」

ジャカッ!
G3がガトリングを構える。

メガミ「待ちなさい」

メガミがG3を止める。

メガミ「彼らにもう戦意はありません」

G3「何ぃ?」

首を傾げるG3。
しかし、そんな2人の流れを無視するようにジョニーが口を開く。

ジョニー「七曜の勇者・・・なぜだ?お前達はなぜ同じ自然の力を持つ俺達を倒し、
      人間や守護天使の味方をしたってのに、そんなに嬉しそうな顔をしている?」

ケン「確かにお前の言ってる事もわかる、オレ様だって1度は守護天使達を憎んで
    いた身さ・・・・」

ジョニーの言葉の後、ケンが胸に秘めた思いを語る。

ケン「だが今は違う!オレ様は守護天使だ、オレ様は大切な仲間を守りたい!
    そして 、人間達を守りたい!」

セティ「山下真吾、なぜ街を守ろうとするの?街なんて、憎むべき存在じゃない・・・」

セティが悲しそうに口を開く。

真吾「それは・・・街が地球の自然を壊すからか?」

真吾が尋ねる。

フリード「そうさ!だから俺達は自然の復讐鬼ケツアールに肉体を与えて力を手に
      入れ、街をブッ潰そうとしたのさ!」

フリードの叫びを聞き、真吾は叫んだ!

真吾「お前らは街を・・・人間を潰すのに自然の力を利用しとっただけや!
    人間だって自然の中から生まれて来た物・・・いわば地球の一部なんや!」
メシア「・・・・・」

真吾の言葉を聞き、メシアは一瞬その表情を変えた。

ジョニー「なぜだ・・・なぜそう考える?」
真吾「それは・・・・」

ジョニーの言葉に真吾は発言をためらった。
それをフォローするかのように、かすみがそっと口を開いた。

かすみ「それは・・・愛があるからです」

メガミ「!!」
メシア「!!」

かすみの言葉と同時に、全員が驚愕の表情と化した。

『守護天使は主人や人間に特別な感情を抱いてはならない』

その事はわかっていたはずなのに、かすみはその禁句を言ってしまったのだ。

かすみ「愛があるからこそ、人は思いやり、街を作り、子供を生み、育ててゆく・・・・」
りな「・・・そうよ!だからこそ、人間だって自然の一部よ!」
ミーコ「ミーコだってぇ・・・ご主人ちゃまのコト、だいだいだいだいだーい好き
    だもんっ!」
ちえこ「ちえこもかも〜!!」
ましろ「私も・・・です!!」

5人もかすみに続いた。

メシア(なぜだ・・・なぜ守護天使の資格を失う事を恐れず、簡単に禁句を言える!?)
メガミ(・・・・・・)

2人はその表情を曇らせたままだった。

フリード「それが・・・守護天使のバカ野郎共が出した答えだってのかよ・・・・」

フリードが声を震わせる。

セティ「でも、あたし達は人間を許せない・・・守護天使達を・・・許す事が出来ない・・・」

セティが涙目で口を開く。

G3「よっしゃあ!やはり俺様が!!」

ジャカッ!
G3がガトリングを構える。

サキ「待って」
ボコッ!

G3「いやぁん」

サキはG3の頭に1発入れて止める。
スッ・・・・
そしてサキは懐から3本の小瓶を取り出した。

りな「あれは・・・魔封瓶!」
真吾「魔封瓶?」

りなのセリフに真吾が首を傾げる。

ケン「呪詛悪魔の魂を封じ込め、浄化するアイテムさ。心を入れ替えたヤツならすぐに
   出れるが、強い恨みを残したまま封印されりゃ、10年・・・いや、それ以上は・・・」
真吾「何やと・・・」

真吾が唇を噛み締める。
カポッ
サキが瓶の栓を開ける。

サキ「今は・・・許してもらえなくてもいい・・・しばらくこの中で反省していなさい」
真吾「やめろっ!!」
サキ「?」

真吾の叫びにサキは目を動かす。

真吾「心を入れ替えるまで、そんなトコに閉じ込めるって言うんか!?」
サキ「それが最善の方法よ・・・・」

真吾の叫びをサキは軽く受け流す。

真吾「そんな悲しい事はさせへん!」
サキ「ではどうすればいいの?消去すればいいのかしら?」
真吾「違う違うっ!それじゃ憎しみを増やすだけや!!」

真吾の言葉にサキはフウッとため息をついた。

サキ「話にならない・・・・」
サッ
サキは再び魔封瓶をE3に向けた。

E3「・・・・・」

E3は闘争心をむき出しにした狼のようにキッとサキを見据える。

真吾「そうや!」

真吾がハッと思い出したように声を上げる。

真吾「みんな、祈ろう!E3はオレらと同じ自然の力を持つ戦士や、だから・・・」
かすみ「私達の想いを伝えれば・・・・」
ましろ「祈りは・・・届くはずです」

7人はE3の前に立つ。

真吾「サキさん、そこをどいてください」

真吾がサキに声をかける。

サキ「何を考えているのかは判らないけど・・・やるだけ無駄よ」

しかし、サキの言葉に真吾は笑って返した。

真吾「無駄かどうかは、やってみれば判りますよ」
サキ「・・・・・」

サキは無言でその場を離れた。

レオン「想いを伝えるったって・・・そんな事が出来るのか?」
セリーナ「それは、あの7人次第ですわね」

2人はただじっと勇者達を見ていた。

七曜の勇者達「・・・・・・」

勇者達はそっと目を閉じ、念じた・・・・

りな「自然を象徴する戦士・・・・」

パアアーッ・・・・
りなの体が黄色く輝く。

ケン「アースウォーリアーE3よ・・・・」

パアアーッ・・・・
ケンの体が赤く輝く。

ちえこ「人々と・・・・」

パアアーッ・・・・
ちえこの体が緑色に輝く。

ましろ「そして・・・街を愛する・・・・」

パアアーッ・・・・
ましろの体が青く輝く。

ミーコ「ミーコ達の気持ちを・・・・」

パアアーッ・・・・
ミーコの体がオレンジ色に輝く。

かすみ「受け止めてください・・・・」

パアアーッ・・・・
かすみの体が茶色く輝く。

パアアーッ・・・・
そして、真吾の体が白く輝いた。

真吾「思い出してくれ・・・・」
7人「愛を!!」

ピキーンッ!
その瞬間、7人の輝きがその強さを増し、何かの音がE3の、メガミ達の耳に響き渡った。
ぴんぴろりん ぴんぴろりん ぴんぽんぴろりん♪
それは、真吾達が買った、あのオルゴールの音色だった。
ぴんぴろりん ぴろりろりん ぴろりんろん りろりん♪

メガミ「この音色は・・・」
メシア「何と心地よい調べ・・・・心が洗われる様だ」

ぴろりんろんりん ぴろりんぴろりん ぴんぽんぴろりろりん りろん♪

ジョニー「!・・・バ、バカなっ!」

ジョニーが叫び声をあげる。

ジョニー「復讐鬼ケツアール!もはやお前も勇者達と同じ考えだってのか!?」

ジョニーは頭を抱え、もがく。
ぴんぽんぴん ぴろりん りろん ぴろりんろん ぴろりん♪

E3「くっ!!」

E3が意識を失う。
ぴろりんろん ぴろりろりん・・・・
オルゴールがその音色を止めた時、明るい光がE3の体を包み込んだ。

フリード「こ、この光は・・・・」
セティ「なぜ・・・こんなに暖かいの?」

2人の言葉の後、ジョニーがそっと口を開いた。

ジョニー「そうか、これがお前達の言う・・・愛する・・・心か・・・」

スウウーッ・・・
E3は光の中に消えていった。


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