Legend of Quel

第一部(P.E.T.S.12人編) 第1話

元守護天使トノサマガエルのクゥエルは、天界の神々によって作られた戦闘生物である。
そのあまりに強大な力を制御すべく拘束具G3‐XX(ジースリー・ダブルエックス)システムを装着し、
仮面ライダーG3‐XXとして地上に舞い降りた。
るるの笑顔を守るため、みんなの明日を守るために......

???「くおらあアアアアアアアアアッ!!!!!何フカシぶっこいてんだてめえ!!!!!」
Rynex「G3様、誰とお話してるのですか?」
G3‐XX「ふん、誰でもねえよ。」
Rynex「あ、誰でもないんですか。それなら問題ありませんね。」

この脳天気なヤツは、G3‐XXに仕える使い魔のRynex(ライネックス)。
夢魔の末裔だけあって、男か女か、まだ性別が決まっていないらしい。

Rynex「さて、地上に来てみましたが、まずはどこへ行かれますか?」
G3‐XX「とりあえず、例の教師が勤めてた学校へ行ってみる。」

例の教師。るるのモデルとなった少女の父親であり、
学校の授業で前世のクゥエルを解剖実験に使った張本人である。クゥエルの名前をつけたのもこの教師だ。
そんなこんなで、その学校に向けてバイクを走らせるG3‐XX。後ろにはRynexを乗せていった。
FX‐01 グランチェイサー。最高時速470キロ。
世界最強の白バイであるガードチェイサーの強化改良版で、G3‐XXの専用バイクである。
これには、G3‐XXの使用する武器が多数収納されている。
そして、学校に到着。が、そこでG3‐XXが見たものは...

G3‐XX「ありゃ?跡形もなくなってるんだけど...」
Rynex「ウ〜ン、これはどうやら廃校になったようですね。後ほど私が詳しく調査してみましょうか?」
G3‐XX「頼んだ。今日の所は引き上げるとしようか。」
 
数日後。

Rynex「G3様、調査結果が出ました。あの学校が廃校になったあと、例の教師は別の学校へ転勤、それに伴って娘さんと一緒に遠くの方へ引っ越した模様。
その教師は、新しい学校で動物実験を授業内容から除外するように呼びかけており、娘さんもそれに協力、今では親子ともども元気に暮らしているようです。」

G3‐XX「......ふうん、そうか♪」

Rynex「随分と嬉しそうですね、G3様。」

G3‐XX「フン、別に。で、るるとそのご主人様はどうなった?」
Rynex「はい、それがどうやら、るるちゃんも守護天使として転生してきているようなんです。」

G3‐XX「何だって!?」

Rynex「それで、今はそのご主人様のもとでたくさんの仲間とともに奉仕に励んでいるという事です。こちらも幸せな人生を送っているみたいですよ。G3様のお陰ですね。」

G3‐XX「そんなわけねえだろ。俺がいなかったとしても結局死んで転生すりゃ守護天使になれるんだから、どっちみち同じ事だ。ま、そのお陰で俺は仮面ライダーになれたんだからいいけどね。結果オーライだ。」

Rynex「そうでしょうか...その時G3様が...いいえ、クゥエルがいたからこそ、るるちゃんはご主人様との大切な時を過ごし、愛情を育むことができたのではないでしょうか。ご主人様にとても大切にされて、思い出をいっぱい作って...だからこそ、守護天使として転生してきた今が幸せなのではないでしょうか。」

G3‐XX「大げさだな、をい(笑)。ま、あっちが幸せならいいんじゃない。それよか、るるがどんな姿になったか、ちと見てみたくなったな。そのうちこっそりと会いに行ってみよっかな。」

前世から知っていたるるに思いを馳せるG3‐XXであった......

Rynex「本当にお優しい方ですね、クゥエル様...」


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