Legend of Quel

第一部(P.E.T.S.12人編) 第16話

G3‐XX「さて、うまくいったかな?」

ご主人様の心音を聞いてみるG3。固唾を飲んでそれを見守る一同。

G3‐XX「おおっ?何か心臓がバクバク言ってるぞ...と思ったらこりゃ俺の心音じゃ
      ねえか、をい!?」
なな「もうっ!ふざけないでよ!!!」
G3‐XX「ハッハッハッ、すまんすまん。よくよく考えたら俺に心臓はなかった(笑)。
      大丈夫、こいつは助かったぜ。作戦は大成功じゃ。」

顔を見合わせるるる・なな・もも。そして間を置いて...

3人「やったーーーーーーーーー!!!!!!!」

口々に喜びの声を上げて抱き合う3人。一方、あゆみはご主人様の脈を確かめていた。

あゆみ「脈がある......本当に助かったんですの...?」

やがてご主人様が目を覚ました。

ご主人様「う、う~ん...あ、あれ?あゆみ、無事だったのか。」

その言葉を聞いたあゆみは、数秒の間を置いた後、目に大粒の涙を浮かべてご主人様に抱きつく。
るる達3人も駆け寄ってきて、抱き合いながらご主人様の無事を喜び合った。

あゆみ「ご主人様...ご主人様...ご主人様あああっ!!!!!」
るる「よかったんらお!ご主人たま、たすかったんらお!!!」
なな「わーい!わーい!ごっ主人様っ♪」
もも「よかった...本当によかった......」
ご主人様「お前達......心配かけてすまなかったな。」

G3‐XX(感じた......超変身した時、身体の中から何かとてつもなくヤバいものが
     開放されかかったような感触を...一瞬だけだが、確かに...)

るる達を見守りながら超変身の感触を思い出すG3。

G3‐XX(...なるべく使わずに済ましたいぜ)

 

G3がグランチェイサーに乗ろうとしていると、

あゆみ「待って!待って下さい!!!」

G3の方へ駆け寄るあゆみ。

あゆみ「あの...その、私...あんな事を言ってしまって...」
G3‐XX「はて?何の事でしょ?俺、最近物忘れがひどくて困っちゃうんだよねぇ~☆」

白々しくすっとぼけるG3。

あゆみ「えっ!?」
G3‐XX「ベレー帽、お前は立派に守護天使してるぜ。マジで。」

そう言ったG3の口調は実に爽やかだった。

あゆみ「G3さん......」
G3‐XX「ところでお前、俺と付き合う気ない?そのずん胴体型がモロに俺好みなんだ
      けど。」
あゆみ「な...何を失礼な!ほっといて下さい!!!それに私にはご主人様という方
     が...って、何を言わせるんですか!!!!!」

顔を真っ赤にして怒り出すあゆみ。そこへるる達もやってくる。

なな「やっぱり来てくれたんだ、G3さん。どうもありがとう!」
るる「ほんとに青い人ら~。ねぇねぇ、じーすぃーたんは、なな姉たんとお友達なんら
    お? るるともも姉たんとも、お友達になってほちぃお!」
もも「......は、はじめまして...守護天使の...ももです...」

ももは、恥ずかしそうにしながらも丁寧にお辞儀をする。

G3‐XX(るる...)

るるの姿を間近で見たG3は、言いようの無い懐かしさを感じた。
前世ではただ見守るしかなかったあの想い人が目の前にいる。
そして自分と友達になりたいと言っている。G3の中に込み上げる感情は当然...

G3‐XX(嬉しい!!!!!こりゃメチャメチャ嬉しすぎるぜエエエエエ♪何かこう、
     盆と正月とクリスマスと七夕と大晦日と節分とハロウィンとひな祭りと子供の
      日とうるう年とアギト放送日がいっぺんに押し寄せてきたような気分じゃあ
      ああああああっ!!!!!!
      ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
      ハハハ!!!!!!!!!!!!!!)

るる「あれ~、じーすぃーたん、どぉちたお?お腹でも痛いぉ?」
G3‐XX「ワハハハハハ!!!!!勿論OKだとも!ぜひお友達になりたいねえ、
      君達!!!」
るる「ほんとー!?わーい、やったお~、お友達だお~♪」

その場を駆け回ってはしゃぐるる。

もも「......最初に話を聞いたときはちょっと恐そうだったけど、優しそうな人でよかった...」
なな「そういえば、さっきあゆみ姉ちゃんと何を話してたの?」
あゆみ「......そ、それは......」
G3‐XX「あゆみ姉ちゃんも、俺とお友達になりたいってさ。なあ?」
あゆみ「へっ?え、ええ...そ、そうですわ、ホホホホ...」
もっとも、あゆみとお友達になりたがっているのはG3の方であるのだが。
なな「あゆみ姉ちゃんも、G3さんとお友達だ!み~んな、お友達♪だね!!!」
るる「みんな、み~んな、お友達らお!!!」

ご主人様「また、助けてもらいましたね。本当に感謝しています。何かお礼ができればいいのですが...」
G3‐XX「クックックッ、礼ならもうもらったぜ。」
ご主人様「?」
G3‐XX「そう、素敵なお友達をな!もう最高にハイってやつだアアアアア♪
     フハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!じゃ、
      そゆことで。」
ブロロロロ...

グランチェイサーで走り去るG3を見送る5人。

るる「じーすぃーた~~~ん、ばいば~~~~い!」
なな「今度一緒にお散歩行こうね~~~~~ッ!」
もも「また、会いましょう~~~っ!」
あゆみ「......Rynexさんのおっしゃった通りでした。」
ご主人様「えっ?」
あゆみ「G3さんって、素敵な方ですわね。」
ご主人様「ああ。」
あゆみ「ご主人様の次に...」

そう言ってご主人様に寄り添うあゆみ。そしてそれを優しく受け入れるご主人様であった。


グランチェイサーに乗って走るG3は...

G3‐XX「ぶ~ち~かま~せ~~~♪ど~く~で~んぱ~~~♪ PETSとしっぽの
      あるところォォォォォ♪ ギャハハハハハハハ!!!!!」

チビッ子3人組と友達になり、嬉しさですっかり舞い上がったG3の高笑いがしばらく止まなかったそうな。
それを見ていたRynexは...

Rynex「......G3様、恥ずかしいです...(汗)。でも、これはこれでいいかも。フフフフ。」

 

第1部「12人の守護天使編」 完


Otogi Story Index - シリーズ小説 - Legend of Quel