きよく!ただしく!!

呪詛悪魔編 第十三話「哀しき堕天使・vs妃皇子」

ケン「いつまで自分に嘘ついてんだよ。
   ・・・確かにお前は人間のエゴで殺されちまった。
   いくら恨んでも恨みきれない・・・それはわかる・・・
   でもな、思い出してみなよ。
   猫として生まれて、一度も良かったって思ったことねえのかよ。」

しあんも歩み寄る。

しあん「あるよね・・・しあん、知ってるよ。
    妃皇子・・・ホントは人間大好きなんだよね・・・
    頭なでてもらったことも・・・おいしいご飯もらったことも・・
    いっぱい・・いっぱいあるよね・・・・なのに・・・」

しあんの目から涙が流れる。

しあん「辛かったよね・・・・泣きたかったよね・・・・
    哀しすぎるよね・・・・」

妃皇子の頬にも一筋の涙が流れる。

妃皇子「知ったような口・・・・たたくんじゃないよ・・・」

涙を浮かべた目でにらみ返す妃皇子。

妃皇子「あんた達なんかに私の気持ちなんてわからないわよっ!!
     どんなに人間が好きでも・・
     どんなに役に立ちたいって思っても・・・・」

胸に手をあてる妃皇子。

妃皇子「ここに恨みの心が・・・憎しみの心がある限り
     天使になんかなれないのよ!!!!
     だから・・・天使になれないなら・・・・
     恨んで恨んで恨みとおして・・・・・・悪魔になって・・・
     少しでも・・・・人間のそばにいたかったのよ・・・」

その場に座り込みすすり泣く妃皇子。

よしき「まだ・・・手はあるんですね。」

背後から声が聞こえ、振り返るとよしき・エイジ・サファリ・ユージがいた。
よしきが妃皇子に近づく。

よしき「あなたにも・・・天使になるチャンスが・・・必ずあるんですね。
    僕達に、お手伝いさせてください。」

優しく微笑むよしき。

妃皇子「私が・・・天使に?」

あっけにとられる妃皇子。

エイジ「誰でも道を間違えることはある。
    でも、お前さんは人一倍天使になりたい気持ちが強い。
    その気持ちがあるかぎり、必ず何度でもやり直せるんじゃ。」
ユージ「今度お会いするときは、私たちの仲間としてですね。」
サファリ「すぐに天使になれちまうって、あんたなら大丈夫だよ。」
まもり「・・・歓迎する。」
しあん「良かったね・・・ホント、良かったね・・・妃皇子・・・」

優しい笑みを見せる守護天使の面々。

ケン「な?仲間って、いいもんだろ?」
妃皇子「お前達・・・ありがとう・・・・」

初めて言った、妃皇子の素直な気持ちである。

よしき「では・・・・・・救います・・・・」

よしきがポケットから小瓶を取り出す。

よしき「邪気昇天!!魔封瓶!!!」

瓶の口を妃皇子にむけると、妃皇子の体が砂と化し
瓶の中に吸い込まれていく。彼女の流した涙まで・・・・


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