The freezing fragment

2話 『ヒカリハヤミヲツクリ、イヤナモノヲカクス』

点灯スル

「御前とは久々に話をするな」「そうだねー」

「『悪夢』以来か?」「そうだね」

そう、俺を変えた悪夢。人の言葉で言うなら『惨劇』。本来有り得ない3日間。

あの日も賑やかだったな---------------------------------

俺はふつーのワルだった、その日もバイクをトバしていた。目の前に誰かが来て、敵だと思った俺の仲間がバット持って殴ろうとした。そしたら、相手がこー言うのさ。「こんばんは、候補クン」

ソイツ、馬鹿みたいに強かった、俺もヤラレタ。んで、気付いたらどっかの教室の中。まー、元々この世界なんてどーでも良かったが。

「君達は選ばれた人間です、だからテストを受けて貰いまーす」TELEVISIONから流れるビデオ。拉致された後、アト、痕。男の声。

その時、渡されたのが問題用紙なら良かった・・・・・渡されたのはナイフ・・・・教室から出るのを禁じられ、その部屋は血の大浴場となってしまった。

俺も、人を殺した。

「止めろ、ダチじゃねぇのかっ!?」怯え震える、昨日までの友。

「スマン、俺を恨むんなら恨め」「な、恨んだりしねぇから・・・」刹那、パラララララララッ。マシンガンの発砲音。

殺した・・・まず1人。内臓が荒れ、ポリープが行き場もなく溜まる、ドロドロとドロドロと・・・肺が半分にに砕け、黒ずんだタールが連想する黒いアスファルト・・・・地獄。内臓の横に見える脂はネットリと床に垂れ落ち、見るモノを脅えさせる。
 
それを俺は・・・喰った。大脳の皺から、眼球の毛細血管、指先の神経・・・・その時の俺は、ヒトじゃない、だ。

こうして生きてきた俺に天使など居る訳が無かった。しかし、その後の出会いは確かにあり、それによってミカドがいるのも事実だ。





「ねぇ、なんでおかーさん、縄にぶら下がってるの?」

私の母は・・・死んだ。宙吊りで。父は程無くして逃げた、あの臆病者め。

行き場所が無くなった私が行った所、海外。理由は変わりたかったからだ、他意など無く。故郷をいいとはその時思え無かった。

そこで待っていたのは、獣にも劣る生活。スラム街での地獄の日々。

挙句の果てに、私は内臓を売る羽目になった。「やめて!」と泣き叫んでも、止まらないメス。意識が遠のいてく中見た顔は人間じゃない、悪魔

そのアトの日々は覚えていない、私は体を作り変えられる中で訓練してただけ。もう流される他、無かった。(誰かキイテ、ワタシノコエ)

戦闘兵器として売られた先は、故郷。そこで初めて判った『ミチハジブンデキリヒラクモノ』。

ほんの少し自由を手に入れた、でも、その後在った悪夢。

私は自由を守る為(ギゼンダヨ、ワカッテルクセニ)にヒトを殺した

その時だ、大地やまこっちゃんに会ったのも。

大地は今でも悔やんでるし、私だってそうだ、まこっちゃんに至ってはあの事以来、その話をすると狂ってしまう位だ。

そんな私に今更天使なんて居るはずが無かった。でも、今はここにいる。

 

 

「お互い、頑張るしかないな。」「ええ。」

その刹那、パンッ♪っと銃声

ヤヴァイ、この上は先輩の部屋だ。「おいっ!」「マコト・・・センパイ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

俺らは闇へと進んでしまった。



Otogi Story Index - シリーズ小説 - The freezing fragment