Legend of Quel

第三部(完結編) 第36話

崩壊の危機に瀕した全ての次元を救うべく、最後の手段に出るクゥエル。

クゥエル「コオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ.........」

クゥエルの全身を温かい光が包み込んでいく。ファイナルビッグボンバーの時よりも力強く、それでいて生き物に安らぎを与えるような優しさに満ち溢れた光だ。

よしき「何て温かい光でしょう...」
もも「綺麗......」
ハープ「何かこう、癒されるような感じ...」
マリー「とっても素敵...」

クゥエル「ライダーパワー、全開ッ!!!!!」

右拳に力を集中して身構える。

クゥエル「究極再生奥義!!!」

キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ............

そして、力が頂点に達し...

クゥエル「アァァァルティメットオオオオ・ユニバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアス!!!!!!!!!!!!!!!!」

ビキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

アルティメット・ユニバースの力が無の空間に広がると、そのまま全ての次元に行き渡る。
滅びた無数の次元が次々と元通りになり、大邪神によって失われた生命も尽く蘇っていった。
形のない虚無が生命の息づく世界へと変わり、闇が光へと変わり、そして絶望が希望へと変わっていく。
3次元も例外ではなく、天界の空にも癒しの光が灯る。一同は、その虹のような光の美しさに見とれていた。

ワーバイン「宇宙(そら)を翔ける...」

Rynex「心の光......」

 

やがて次元の揺れも止まった。

メガミ様「地球の異常気象もおさまったようですね。」

そして全ては元に戻り、次元の崩壊は免れた。

クゥエル「これで、どおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉよ?(^▽^)/(プゲラッチョ)」

余裕に満ち溢れた口調でそう言うと、クゥエルは人間体に戻っていく。全身のトゲが引っ込み、ゴテゴテした筋肉が縮んで、あの優男の姿になった。

ロック「こいつに驚かされるのは、これで何度目だぁぁぁ...?」

ティコ「ここまでくると、なにが起きても不思議じゃありませんね。」

つばさ「もう、何でもありだね...」

信じられない光景を立て続けに見せ付けられ、さすがに呆れ返る一同。

 

と、その時、クゥエルの体に異変が起こった。

サキ「あっ、G3の体が...」

みどり「透き通っていくれす!」

クゥエル「あっちゃ〜、やっぱこうなっちまったか┐(・_・)┌ さすがにぶっ壊れた次元を全部治すのは無茶だったかね。」

まるで自分の行く末を予測していたかのように言う。

クゥエル「やはり創造とか再生ってのは、破壊よりもはるかに力が要るようだ。ま、創ったり治したりするよりぶっ壊す方がずっと簡単っちゅうこったね。」

Rynex「G3...様......?」

クゥエルの足元が透き通っていく。飄々とした態度を崩さないクゥエルに対し、不安そうな顔でクゥエルを見つめるRynex。

クゥエル「Rynex、俺もお前と会えて本当によかったぜ。仮面ライダーとして復讐鬼どもからみんなを守ってこれたのはお前のおかげだ。

G3‐Xみたいな気分も味わえたし、もう言う事はないね♪お前は最高の使い魔...いいや、最高のパートナーじゃ!!!」

クゥエルの太ももの辺りまで透き通っていく。

クゥエル「たまみ、お前が俺に好きだって言ってくれた時、本当はすっげえ嬉しかったんだぜ。

こんな俺でも、好きになってくれる奴がいる...生きててよかったって思うのはこういう時だな(^O^)☆」

たまみ「G3さん......」

透明化がクゥエルの腹の辺りまで進んだ。

クゥエル「ここにいるみんなも、俺の心に光をくれたっけ。どうだ?俺、お前等にちゃんと光を返せたかな?」

一同は無言のまま頷く。否定するものは1人もいない。

クゥエル「るる...お前の幸せな笑顔こそが、俺にとって何よりの宝物だ。」

るる「じーすいーたん......」

クゥエル「7年前の事...友達宣言した時の事...この間のデートの事...2人で観覧車から見たあの夕日...お前と過ごした日々を、俺は決して忘れない!」

クゥエルの透明化が首の下辺りまで進んだ。

クゥエル「るる...幸せになれよ......」

優しい笑顔で最後の言葉を残し、クゥエルは完全に姿を消した。

 

るる「じー...すいー......たん......?」

るるは呆然としてクゥエルのいた所を見つめていた。そして目に大粒の涙を浮かべ、映像の方に向かって駆け出す。

るる「じーすいーたんの嘘つき!!!絶対戻ってくるって言ったじゃない!!!また『でーと』しようって約束したじゃない!!!!!」

るるはどさっと転ぶ。が、またすぐに起き上がって叫ぶ。顔を涙でぐしゃぐしゃにして...

るる「るるも...るるもじーすいーたんの事、大好きだお!!!!!だから...だから.........」

空しく立ち尽くするるの後にご主人様が歩み寄ってくる。

ご主人様「るる......」

るるはご主人様に泣き顔を向ける。

るる「ご主人たま......ううっ...じーすいーたんが......じーすいーたんが......う...う...ううっ......」

 

るる「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

るるはご主人様にしがみつき、泣いた。

小さな体で激しく泣いた。

 

少女の泣き声は、天界に空しく響き渡った...


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