Legend of Quel

第三部(完結編) 第35話

天界の人々は喜びを分かち合っていた。

クゥエル「をひをひ、そんなに喜ばれると、何かこっちが恥ずかしくなってくるぜ。」

ムサ婆「お主、こっちの様子がわかるのか?」

クゥエルが天界の様子を察知していた事に驚く一同。

クゥエル「おおよ。」

Rynex「そ、それじゃあ......!」

クゥエル「ああ。お前等の声、聞こえたぜ。もっとも、とどめはるるのペンダントだったけどな。アーマーごと吹っ飛んじまったってのになぜかあれが見えたような気がしてな。その瞬間、はっきりと思い出した。俺が俺であるって事を...俺は1人じゃないって事をな。」

激闘の最中、消滅してしまったはずのペンダントが見えたのはなぜなのか、クゥエル自身にもよくわからない。人々の祈りが通じたからなのだろうか...?

るる「じゃあ、るるのペンダント、じーすいーたんをお助けできたんらね!」

クゥエル「そうじゃ。礼をいうぜ、るる。でも、肝心のペンダントはどっかいっちまった。ショウジキスマンカッタ...m(_ _)m」

るる「ううん、いいんらお!じーすいーたん、みんなの明日をちゃんと守ってくれたお!」

クゥエル「そ、そうかい...?いや~何か照れるぜブヘヘヘヘ。あ、そうそう。俺のこの姿、どっかで見たと思ったら、これってエクシードギルスにそっくりじゃん。Rynex、これってお前がデザインしたのか?」

Rynex「私、実はギルス大好きなんです(笑)。なので、改造の際にどこかでそれが反映されたのかも知れません。」

そう言いながら子供のようにいたずらっぽい笑顔を見せる。

Rynex「それよりG3様、そんな所で立ち話も何ですから、そろそろこっちに戻ってきて下さいよ。」

 

と、その時...

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ............

 

突然、地震が起こった。クゥエルのいる空間と3次元の両方...いや、残った全ての次元が揺れているようだ。

美月「こ、これって...?」
なな「地震だ!」
ライト「何よ!どうなってんのよ!」
クゥエル「こっちも揺れてるぜ。」

神様1「やはりな...」

半ば諦め気味にいう神様1。

ゆき「どういう事なんですか?」
神様2「さきほど大邪神に多くの次元が破壊された。そのせいで次元のバランスが崩れてしまったようだ。」
あゆみ「次元の...バランス...?」
神様3「このままいけば、残った次元が全て崩壊してしまうだろう。無論、この3次元の世界もな。」
ロック「なんだって!!!」
なの「そ、そんな...せっかくG3が勝ったのに...」

メガミ様は地球の様子を見ていた。

メガミ様「世界各地で異常気象が見られます。やはり崩壊が近づいているようですね。」

 

 

まさしく、一難去ってまた一難というやつである。

あまりの事に一同はしばらく言葉もなかった。が、その後、意外な事を言い出した。

メガミ様「G3、あなたは本当によくやってくれました。たとえこの世界がなくなる事になったとしても、それはあなたの責任ではありません。」

らん「そうです!G3さんは、あんなに思い悩んで自分のトラウマを克服して、全力で頑張って、そしてるるちゃんを取り戻してくれた...それで充分です!」

ご主人様「らんの言うとおりだ。G3さんは、僕達のためにずっと戦ってきてくれた。G3さんがいなければ作れなかった思い出がたくさんあります。」

るる「じーすいーたんは、みんなのひ~ろ~なんらお!いっぱいいっぱい、ありがとうらお!」

ワーバイン「お前がいなかったら、俺は自分の一番大切なものをこの手で葬ってしまうところだった...元復讐鬼の俺が守護天使になれたのは、らんとお前のおかげだ。」

たまみ「G3さん、やっぱりあなたは、たまみが思った通りの人でした。あなたを好きになったのは、間違いじゃなかったです。」

ひつ爺「立派になったのぉぉ...お前は実に素晴らしい教え子じゃぁぁ...」

ステュクス「Rynexはとても幸せ者ですね。こんなにいい主様に仕える事ができたのだから。」

リーザ「ほ~んと。私もこんな素敵な方の使い魔、やりたかったな。」

Rynex「G3様...あなたに巡り会えて、とても...とても幸せでした......」

滅亡を前にしながら、クゥエルに感謝の気持ちを向ける一同だった。

ところが......

 

クゥエル「待たんか貴様らあああああああああああああああああああっ!!!!!!!」

突然大声で怒鳴りつけるクゥエル。一同はきょとんとしてクゥエルの方を見る。

クゥエル「さっきから聞いてりゃお前等、なに諦めモード入ってんだヴォケ!!!」

Rynex「で、でも、G3様...」

クゥエル「Rynexゥ~、俺を作ったのはお前らだろうがよぉ~。こういう時のために俺がいるんだろヲイ。まだ手はあんぜ。」

つばさ「どうするの?」

クゥエル「な~に、実に簡単な理屈だよ明智君(笑)。えっと...たしか、アクシオン...とかいったっけ???そのパワーを全開にして、崩壊した次元を修復したる。今の俺ならできるぜ!!!」

あかね「でも、そんな事して大丈夫なの?」

神様3「そうだ!崩壊した次元は1個や2個じゃない!大邪神によって失われた生命はそれこそ無限に等しい程あるんだぞ!!!」

神様1「それに、もともとお前の力は創造や再生には向いていない。それを無理やり再生力に変換して一気に放出してしまえば、お前とてただでは済まんぞ!」

クゥエル「お前等、俺を誰だと思ってる。俺は...仮面ライダーだッ!!!!!!!」

クゥエルは平然とそう言うと、全身を身構えて力を高め始めた。


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