Legend of Quel

第三部(完結編) 第15話

「待って!!!」

Gストライカーに向かって駆けてゆくクゥエルを誰かが呼び止めた。

クゥエル「たまみ...?」
たまみ「えへへ...追いかけて来ちゃいました。」

無理に作り笑いをするたまみ。

クゥエル「どうしたんだ?」
たまみは急に黙ってしまったが、やがて口を開く。
たまみ「.........やっぱり、行くんですか...?」
クゥエル「......ああ。」

たまみは急にクゥエルに抱きついてきた。

クゥエル「???」
たまみ「たまみ...G3さんにはるるちゃんを助けに行ってほしいけど、本当は行かせたく
     ない...」
クゥエル「たまみ...」
たまみ「変ですよね。さっきと言ってる事が全然違ってる...
     でも、もしこのまま行っちゃったら、もう二度と会えないような...そんな気がするん
     です...だから......だから、今のうちに言います!!!!!」

顔を真っ赤にしてクゥエルの目を見上げるたまみ。そして、一生分の勇気を振り絞り、こう言った。

たまみ「.........好きです......
     あなたが助けてくれたあの日から、ずっと.........」

両目に涙を浮かべてクゥエルの腕をギュッと掴むたまみ。

クゥエル「.........」
たまみ「だから、お願い......行かないで...死なないで......」

懇願するたまみをジッと見るクゥエル。

クゥエル「ありがとう、たまみ。でも俺は......」
たまみ「あなたの気持ちは知ってます!でも......でも......」

泣きつくたまみの両肩にポンと手を乗せてしゃがむクゥエル。

クゥエル「大丈夫だ。俺は必ず戻ってくる。
      オメガをぶっ飛ばしてるるを助け出し、またここに帰ってくる!必ずだ!」
たまみ「......本当に...?」
クゥエル「ああ、本当だとも!俺がいる限り、誰も泣かせはせん!!!
      悲しい思いはさせん!!!!!
      またみんなで笑顔になれる...そんな明日にしてやる!!!!!!!」
たまみ「G3さん......」

クゥエルの眼差しに真摯な心を感じ取るたまみ。

クゥエル「俺は...仮面ライダーだ!!!!!!!」

そう言ってクゥエルは再び駆け出していった。

たまみが佇んでいると、後に人の気配がした。

たまみ「ご、ご主人...様......?」

驚くたまみ。その後、申し訳なさそうな表情で、

たまみ「ご主人様、ごめんなさい......たまみ...」

たまみの言葉を遮るようにご主人様がたまみの頭をそっとなでる。

たまみ「えっ......?」
ご主人様「いつかたまみにも、自分の幸せが見つかるといいね。」

ご主人様は、優しい笑顔をたまみに向けてそう言った。

たまみ「........うっ...う...ううっ...うわああああああああああああっ!!!!」

たまみは、ご主人様にすがり付いて泣いた。
胸の痛みをこれでもかというほど目から噴き出して泣いた。

 

 

 

守護天使の家にて...

らん「怪我の方は大丈夫なんですか?」
ワーバイン「これしきの傷、どうって事はない。奴にばっかいいかっこさせてたまるかってえの。」
らん「無事を祈っています。」
ワーバイン「ああ、ありがとう。」

そう言ってワーバインもクゥエルを追って飛び出していった。

 

 

 

 

クゥエルがGストライカーの前に来ると、そこには既にいくつか人影があった。
正確には4人。彼等は人ではなく、怪人のような姿をしていた。

クゥエル「お、お前等は......!!!」
カブトムシ怪人「お久しぶりです、G3様。ゴ・ガドル・バ、ここに!」
カメ怪人「同じく、ゴ・ガメゴ・レ!」
バッファロー怪人「ゴ・バベル・ダ!」
バッタ怪人「ゴ・バダー・バ!」

と、そこへ仲間と思しき怪人もう1人慌ててやってくる。フクロウのような顔と翼を持った怪人だ。

フクロウ怪人「...ゴ・ブウロ・グ!」
5人「我等、G3親衛隊5人衆!!!!!」
ゴ・ガドル・バ「あ、すわんじゅおおおおおおおおおおおう!!!!!!!」

彼等はG3の使い魔達だった。G3が現世降臨後に使い魔としてしたがえた後、
それぞれが別の星系や次元へと散っていたのだが、Rynexの連絡を受けて集まったのだ。
ちなみに、彼らは(ギャリドもそうだが)別の星系や次元で作られたアクシオンの一種であり、
地球の特撮番組『仮面ライダークウガ』に登場する怪人を模して改造された者達である。 (名前も『クウガ』の怪人からそのまま取った)

クゥエル「お前等も来てくれたのか......ありがとうよ。」
ゴ・ブウロ・グ「いや~すんません。新兵器作ってたら遅れちゃいました。ほんのついさっき
         完成したんですけどね。」
クゥエル「何!?新兵器だとぉぉぉぉぅぅぅ?」

クゥエルの目が一瞬輝いたその時、遠くから声が聞こえてきた。

ワーバイン「ちょっと待てえええええッ!!!!!」

怪人体となったワーバインが慌てて走ってくる。

クゥエル「ワーバイン...お前、怪我は...?」
ワーバイン「元復讐鬼の俺をなめんなよ!お、こいつらも仲間か!?」

使い魔達を見て驚くワーバイン。

クゥエル「ああ。俺の頼もしい仲間たちだ。」
親衛隊「夜露死苦ゥ!!!!!」

GストライカーからRynexとギャリドが顔を出す。

Rynex「クゥエル様、出動準備OKです!」
メ・ギャリド・ギ「キット、クルトオモッテマシタヨ...」

クゥエル「よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおし......
     行くぞゴルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
     アアッ!!!!!!!!!!!」

親衛隊・ワーバイン「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
            オオオオッ!!!!!!!」



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