〜ノエルラントの名花たち〜 「なたねと自転車」

~ノエルラントの名花たち~ 「なたねと自転車」

ノエル公国第八公女のなたねは人懐っこく元気な性格から会う人に交換を抱いてもらえることが割と多い。
そんななたね公女のファンの一人に竜人公国の竜人公がいる。竜人公国を訪問するノエル公に帯同したなたね公女と会ったことを機になたね公女を気に入った竜人公は以降なたねにたまにプレゼントをあげるようになっていった。

ある日、ノエル公がノエル城の中庭に行くと、なたね公女が自転車を磨いていた。

「あれ?この自転車は何だいなたね?」
「あ、父上。これ竜人公からもらったんです。竜人公自転車がお好きだって、で「ボクも乗りたい!」って言ったらすぐこれくれて…。」

そんな話は初耳のノエル公、さすがになたねに注意を与える。

「…人から物貰ったらすぐ親に報告するものだぞなたね。」
「…ごめんなさい。」

ノエル公に注意され、消沈するなたね。

「…まあ自転車なんてそんなに高いものじゃないし…今度からはちゃんと気を付ければいいから。」
「はい。」
「まあせっかくのいただき物だ、大事にしなさい。」
「…はい!」

そして翌日。

「父上!つぐみ姉さま!」

ノエル公とつぐみ親衛隊長が一緒に散歩をしているところに、自転車に乗ったなたねがやってきた。

「おお、なたね!」
「父上、このなたねの自転車は?」
「ああ、つぐみにはまだなたね言ってなかったんだね。これは竜人公からのいただき物なのだそうだ。」
「…プレゼント?」

つぐみの顔が心なしか青くなる。

「そう。でもなたね可愛いね。自転車でこんなに喜んで。」

あくまでのんきなノエル公だが、そんなノエル公に対しつぐみが慌てた様子で言った。

「これレーシングバイクの一番いいやつだぞ!普通の自転車の40倍以上するんだ!」
「「ええっ!」」

自転車の価値などよく分かっていなかったノエル公となたねは一斉に驚く。

「こんなものくれるなんて…竜人公よっぽどなたねを気に入ったんだな…。」

後日ノエル公が竜人公国に土産物持参でお礼に行ったことは言うまでもないだろう。

おわり


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