饗介が見ると、先程服を脱がされた三人がこれまた怒りに燃えた目で饗介をにらんでいた。
ひとみ「よくもご主人様とまゆりさんを…。」
みゆう「それに、とっても恥ずかしかったんだから!」
あすか「絶対に…許しません。」
饗介「じゃあ受けて立つぜ。」
饗介が挑発すると、まずあすかがヒットアンドアウェー戦術を仕掛けた。
すなわち、殴っては逃げ、殴っては逃げのくり返しである。
初めは、あすか有利の展開となった。饗介にはなかなか動きが見切れない。
あすか「そろそろ降参しなさい。」
饗介「くっ…。」
だが、饗介は、次第にあすかの動きが見えてきた。そして、
饗介「ストップ!」
あすか「ああっ!」
饗介「浮上!」
そういうと、あすかを宙に浮かべてしまった。
それでもなお、あすかは粘りを見せていた。
あすか「こんなことで…負けるものですか。」
しかし、
饗介「あ、あすかちゃん、今日は白だね。」
あすか「!」
この饗介の一言に、あすかは恥ずかしそうに顔を赤らめ、思わずワンピースの前を押さえた。そして、
饗介「解除!」
あすか「きゃっ!」
集中力を失っていたところで力を抜かれ、あすかはバランスを崩して地面に叩きつけられてしまった。
しかし、集中力を失っていたのはあすかだけではなかった。今度はみゆうが
みゆう「スキあり!」
と足にかみつき攻撃を仕掛けてきた。
饗介「おい、やめろ!」
みゆう「むーん、むーっ!」
そうこうしているうちに、みゆうの歯はどんどん饗介の足に食い込んでいく。
しかし、
饗介「やめろ、ってんだろうが!」
みゆう「いやあっ!」
饗介は、足から波動のようなものを出し、みゆうを遠くに吹き飛ばした。
だが、まだ新手はいる。今度はひとみが、身長差をものともせずに、饗介の首を力任せに絞めあげた。
ひとみ「まゆりさんの味わった苦しみを、あなたも味わいなさい!」
饗介「く、苦しい…。」
饗介はひとみの怪力の前に気が遠くなりかけた。
だが、やはり経験的な問題なのか、武運は饗介に傾いた。
饗介「ぬああっ!」
ひとみ「ああっ!」
饗介の苦し紛れの念力がはまり、ひとみは空高く舞い上がり、そして地面に激突した。
かくして、カルテットの内の三人の挑戦を退けた饗介は、余裕たっぷりの態度でカルテットを見おろした。
饗介「ダメだなー、こんなにおてんばなことじゃー。こんなんじゃお嫁に行けないぞー。でも大丈夫。俺がたっぷりかわいがってあげるからねー。」
(もう…ダメ…。ご主人様…ごめんなさい。)
四人は、饗介に今まで守ってきた大切なものを奪われる自分達の姿を想像し、悲嘆の涙にくれていた。
と、その時、