思想: 2013年7月アーカイブ

参院選、大方の予想通りの結果となりましたね。

民主党がかつてないほどの完敗となりましたが、この理由は明らかです。
1.アベノミクスに対抗しえる、党としての明確なビジョンを示せなかった。
2.党内意見をまとめられず、ビジョンどころか各問題の方針すら言明を避けた部分があった。
3.以前の政権運営失敗によるマイナスイメージの継続

2については、完全に海江田代表をはじめとした方々の手腕不足でしょうが、
一番の問題は1です。
そしてこの1の問題は民主党のみならず、他の野党すべてに言えたことでした。

各党、街頭演説はもろもろ、「安倍政権の暴走を許してはならない」とか「アベノミクスは富裕層を優遇するだけで(以下略」
という、オリジナリティのないていたらくという印象がぬぐえません。

本当の仕掛け人が安倍首相本人なのか他の誰かなのかは知りませんが、「アベノミクス」というネーミング、社会現象化のすさまじさは見事なものです。

あまりにその名前が社会現象化してしまったので、どの党も「アベノミクス」を引用せざるをえない状況に追い込まれ、独自のビジョン・ソリューションの主張どころではありませんでした。

いわば、アベノミクスの存在感の大きさに、各党が「構図負け」したと言えるでしょう。

アベノミクスに過大な期待をしている有権者はわりと少ないような気がします(期待半分、不安半分といったところでしょう)が、少なくとも、何もビジョンを持っていない他の党より、ビジョンを持っている自民党の方がずっとマシ、という判断だったのではないかと思います。
(もちろん、「ねじれ」はもうゴメンだ。という意図もあったと思いますが)

しかし、やはり政策に名前をつけることは大事ですね。名前重要です。どんな現象も名前がつくことで、皆が意識を向けることができるし、議論の対象にすることができます。
なにより、人の記憶に残ります。

他の党も、対抗するなら、

「アベノミクスでは間に合わない! これからは○○ビジョン!」

みたいにやればいいのです。

ネット選挙も解禁となりましたが、こうした『わかりやすさ・意識しやすさ』を考えた広報戦略はますます重要になってくるのではないかと思います。

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